「人に迷惑をかける」勉強不足は許されない
asanumaSNSを使っていると、「簡単に稼げる副業があります！」という勧誘をよく目にします。
私が実際に話を聞いて調べてきたものだけでも、以下のようにたくさんの事例があります。
・メルカリの物販
→ サンプル品をあらゆる企業から取り寄せ、正規品として転売（メルカリ規約/企業のサンプル品申し込み規約に違反）
・新規事業の投資
→画期的な案件とみせかけ、実態はマルチ商法形式で出資者を集めて逃げるポンジスキームの1種（金商法、特商法に違反する例あり。）
・集客や物販のノウハウを教えるスクール
→数十万円の費用に対し、本で勉強できるレベルの内容かそれ以下の情報商材。実態は、「その商材のノウハウで稼ぐ」のではなく、スクールへの入会料で儲けている。
このような、いわゆる「情弱ビジネス」がSNSでは蔓延っています。最近は景気も悪いので、より広まることでしょう。
私は塾とは別に、これらの悪質商売を調べて解説する動画を作ることもしばしば取り組んでおります。
その動画経由で被害者から相談を受けることもあるのですが、彼らには言いづらい共通点があります。
それは
思考力・基礎知識のレベルが一般と比較して著しく低い
ということです。
もちろん全員がそうというわけではありません。しかし、大変失礼かもしれませんが、私が相談してきた方はほぼ全員、学校の勉強が苦手な方です。実際、彼らの多くは「自分は頭が悪い」と述べています。
相談内容の多くは、
・何人かこのビジネスに勧誘したけど上手くいかなくて、やめたい。
・退会したいけど組織の人が教えてくれない。助けて欲しい。
・入会したけど稼げなかったので、返金して欲しい。法的にできることはないか。
といったものです。
このような相談を受けていて、思わずにはいられないのです。
勉強不足を免罪符として、他人に迷惑をかけるなんて許されないと。
彼らは被害者であると同時に、他の人を「その訳のわからないビジネス(もどき)」に勧誘して巻き込んだ加害者です。その観点を無視して被害者であることを前面に押し出し、サポートを請う姿勢に違和感を持っています。
もちろん、あまりにも巧妙な手口によって騙されたのかもしれません。
しかし、そのほとんどは相手の話を聞いて、少し会社名を調べたり、お金の流れを考えるだけで入会を断れたはずです。
その勉強不足・考察不足があってこれらの情弱ビジネスは機能しています。
私は本来、本人が納得していれば勉強をしなくても良いと考えております。生きていく上で、必ずしも学校の成績が良い必要などないからです。
ただし、先のような被害者の方から相談を受けていて、思わずにはいられないのです。
他人に迷惑をかけないレベルには勉強しろよ。物事を考えろよ。と
「楽してお金を稼ぎたい。」
誰もが考えることです。それは大いに結構です。
ただし
「この人が稼げるって言ってるんだ！じゃあ言われた通りにやろー！」
→「え、色んな人に勧めてきたけど、これ違法だったの！！？ふざけんなよ、金返せ！」
そんな結果になることは防がないといけません。
これらの悪質商法は基本的に18歳以上の方が対象です。すなわち、18歳になるまでには、自分の行動は自分で責任を取れるようになる必要があります。
他人を悪質ビジネスに勧誘したとしたら、自分にも当然責任は生じます。「知らなかった」では済まされません。
中学生、高校生のうちは勉強嫌いな方が多いのも仕方ないとは思います。
しかし、成人になるまでには、社会で生きていく上で必要な（他者に迷惑をかけない）頭脳というものを養わないといけません。
そして、その延長線上に、社会で楽しく生きていくための頭脳があると思います。それは、自分のやりたいことを工夫して実現したり、他者と協力して何かを成し遂げたりするために必要です。
どうせ頭脳を鍛えるなら、最低限のラインではなく、自分が能動的に楽しめるラインを目指すべきだと思います。
ぜひちょっとした勉強から取り組んでみて欲しいです。
それでは。
