英単語の効果的な勉強法: 「広く浅く」を繰り返す

中学生はあまり馴染みがないかもしれませんが、高校生のほとんどは英単語帳を使用します。

あさぬま塾に通う西南中学の生徒さんも、英単語帳を学校で配られています。紛失したため、しばらく単語対策が大変なことになりました(笑)

英単語を覚えることは、長文読解において必須です。しかし、英語が苦手な方の多くは英単語を覚えることに苦戦しているのではないでしょうか。

今回は、そんな英単語の効果的な勉強法についてお話しします。私のおすすめの読み方:「一部を完璧に覚えていくのではなく、何周も全体をさらっと読む方法」に焦点を当てて解説します。

1. 一部を完璧にする方法のデメリット

まずは、一部の単語を完璧にしてから次に進む方法のデメリットを確認しましょう。

  • 時間がかかる: 一つ一つの単語を完全に覚えるまでに、多くの時間を費やしてしまいます。
  • モチベーションの低下: 完璧を求めるあまり、進捗が遅くなり、やる気を失うことがあります。
  • 忘れやすい: 1~100番までの単語を覚えたとしても、その後101番以降を覚えている間に忘れてしまいます。わざわざ時間をかけても、必ずじわじわ忘れていくのです。

学校の単語テストの多くは、決まった範囲を一定ペースで進めながら実施していると思います。そのため、普段の単語帳を読む範囲もそこに合わせているのではないでしょうか。

もしそうなら、模試や受験に対応する単語力は備わりません。テスト対策と並行して単語帳全体も読み進めましょう

2. 全体をさらっと読む方法のメリット

次に、「全体をさらっと読むことを繰り返す」方法のメリットを紹介します。

  • 記憶の定着: 繰り返し全体を読むことで、記憶が徐々に定着していきます。一度に覚えようとするよりも、長期的な記憶に残りやすくなります。
  • 効率的な学習: 短時間で多くの単語に触れることができ、効率的に学習が進みます。
  • モチベーションの維持: 進捗が目に見えるため、モチベーションを維持しやすくなります。
  • 復習の効果: 全体を繰り返し読むことで、忘れていた単語も自然と復習できます。

赤シートで単語を隠して、一瞬答えを考えてから単語を確認する。

これをテンポ良く進めて、1日100語くらいを目安に読み進めましょう。

3. 効果的な「さらっと読む」方法

具体的にどのように「さらっと読む」勉強法を実践するか、以下のステップを参考にしてください。

ステップ1: 単語帳の準備

まずは、使用する単語帳を準備しましょう。自分に合ったレベルの単語帳を本屋で選び、全体を一度ざっと見ておくと良いです。

私は『システム英単語』を使用していました。『ターゲット』シリーズもおすすめです!

ここでの注意点は、無理して収録単語数が多い単語帳を買う必要はないということです。

たとえ東大・京大・早稲田・慶應レベルであっても、2000語程度で十分かと思います。

長文問題を演習しながら、わからない単語を追加で学習できるからです。また、『速読英単語』などの参考書を補助的に使うこともおすすめです。

頻出かつ必要な単語を固めるつもりで、単語帳は取り組みましょう。

ステップ2: 1周目はスピーディに

最初の周回では、細かい意味や用法にこだわらず、単語をざっと読みます。

いきなり覚えることを期待してはいけません。後に長文で単語を見た際、「なんか見たことあるな」くらいのレベルで意識に残ればOKです。とにかく早めに1周を終わらせましょう。

ステップ3: 周回を重ねる

2周目以降は、赤シートで隠した単語の意味を当てに行くつもりで読み進めます。

このときも、間違えたからと言ってマークして必死に見直そうとせず、解説をさらっと読んだら次の単語へと進んでいきましょう。

ステップ4: 習慣化と記憶の維持

一度全体を覚えた後も、1日に読む量を減らしつつも読み続けましょう。

私の場合、ほとんど覚えてからは50語/日でした。英単語を赤シートで隠す日と、和訳を隠す日を交互に行っていました。

4. まとめ

英単語の勉強は、一部を完璧にしてから次に進むよりも、全体を何周もさらっと読む方法が効果的です。

絵を描くときと同じです。一部分を完璧にしてから範囲を広げていくのではなく、全体の構図を意識して段々と全体に何層も色を重ねていく。そうすれば、問題演習の際に記憶と結びつく可能性が高まります。

この方法を取り入れることで、記憶の定着が良くなり、効率的に学習が進みます。ぜひ、皆さんも試してみてください!