無理に進路を決めなくて良いから、選択肢を広げよう

「志望校が決まらない」と悩む人にたびたび出会います。

特に、初めて受験期を迎える中学3年生の生徒に多いです。

将来何をしたいか分からない。

どんな学校があるのか分からない。

どのレベルなら受かるのか分からない。

こういった理由で志望校が決まらず、勉強に身が入らないケースはよくあります。

かといって、何も決めずにいたら三者面談などで早く決めるよう促されるでしょう。私も、暫定でも良いので志望校は早めに決めておく方が良いと考えています。目指す学校のレベルや問題の傾向が分からなければ、対策ができません。

親や先生が積極的に学校を紹介して勧めてくれる場合は、上記のような悩みは少ないかもしれません。

しかし、「あなたが好きに選びなさい」と言われてしまった場合は、自分で情報収集して選択する必要があります。

悩む受験生に伝えたいのは、この時点で将来の目標まで設定する必要はないということです。

中学生や高校生の段階で、十分な知識量があるとは言えません。少なくとも、どの職業が自分にとって良いか判断する材料は少ないと思います。

成長するにつれて多くの経験を重ね、考え方も変わります。そして、学校を卒業して働く際、どのような仕事に就きたいか決めれば良いのです。

例えば、中学生の段階で医者になりたいと考えている人が、大学に入ってから民間の企業で働きたいと考え直すなんてことはよくあります。学生のうちに立てた将来像を維持することが美徳というわけではありません。

以上を踏まえて私がおすすめするのは、気楽に目標を設定し、全力で能力を引き上げることです。

将来やりたいことはまだ分からなくても、働くことはほぼ確定です。であれば、その時に自分がやりたいことを選べるよう、能力を向上させるべきです。

優しい大人は教えてくれませんが、会社に就職する場合は必ずと言っていいほど学歴は見られます。

採用する側からしたら、優秀な人を雇いたいからです。学歴は、その優秀さの分かりやすい指標の一つです。(もちろん、これ以外にも人柄や今までの経験等が問われます。)

あなたが学生を終えて社会人になる時、独立して働く等の場合を除けば会社に就職すると思います。その際、あなたがやりたいことを選ぶだけでは就職できません。会社側も誰を雇うか選ぶのです。競争は必ず存在します。

自分の望み通りの就職先にいけなくても自己責任です。そこで後悔しないために、今は勉強してください。これといった目標がない人ほど、勉強してください。

一見意味のない数学や社会等の勉強は、いつか必ずあなたを助けてくれます。論理的思考や、基礎的な知識を応用する力、記憶力などが養われるからです。

能力が高ければ、やりたいことだけではなくやれることが増えていきます。選択肢を増やすことが大切です。

結局、志望校をどう選ぶかについては、いたって単純です。

こだわりがないなら、普通科かつ自分が全力で勉強して狙える偏差値帯の学校を勧めます。

何も決まっていない段階で専門科を選ぶことはおすすめしません。選択肢が狭まるおそれがあります。普通科であれば、のちに目標が決まった際も、柔軟に進路を選べます。

そして、キレイ事を抜きにすると、偏差値はとても重要な指標です。高校であれば、そのまま大学の進学実績と比例します。大学であれば、企業からの評価につながります。

何より、偏差値が高い学校ほど、勉強を頑張る人が多くなります。「当たり前」のレベルが高いのです。

・授業の復習を徹底するのは当たり前

・基礎的な問題集を何周も解くのは当たり前

・部活を言い訳にしないのは当たり前

など、自己規律のレベルも高くなります。その環境に身を置く事で、あなたもより自己研鑽に励みやすくなります。

以上が私からの提案ですが、頑張る/頑張らないもあなたの自由です。

上記は頑張る場合の話なので、今の自分にとっての快楽を優先したいのであれば、成り行きで決めて良いと思います。

それでもきっと、なんだかんだ楽しく生活していけるはずです。