考えすぎないことは、集中力の維持につながる

数学の方程式を演習していたある日のこと。

文章題から方程式を立てる途中で、生徒が手を止める瞬間が訪れました。

前回解説した図の描き方は、しっかり実践できています。しかし、xを使って項を表す段階で、それらが「何を示しているか」で悩み始めてしまいました。

思うに、回答が長くなる問題ほど、一度に多くの物事を考えてしまって行き詰まることが多いのではないでしょうか。僕は、「一度に考える事柄をいかに少なくするか」が大切だと考えております。

例えば、我々大人が日常のタスクをこなす時、一つ一つ処理していくはずです。

皿洗いをしながら、「次は洗濯物をして、その次は取引先にメールして、空き時間に買い物に行って・・・」なんて諸々考えることはせず、メモに「to doリスト」として書いておき、目の前のことに集中するでしょう。その方が淡々とタスクを片付けられます。

数学の回答も同様で、目の前の計算処理中に、他のことを考えるのは脳の容量の無駄遣いです。確かに、問題全体の構造を把握することは大切ですが、計算中はその思慮すら邪魔になり得ます。

そこで、その全体構造をいつでも確認できるように、図をはじめとしたメモがあるのです。

要素が出揃ってから(計算し終えてから)考えれば良いことまで、ずっと頭の片隅においてしまっている。または、目の前の計算をしながら、並行して「この後にどのような式を立てれば良いのだろうか」などを考える。これらはかえって問題の処理を妨害します。

特に注意散漫な傾向があると考えている方は、上記を意識してみてください。

それでは。