算数が得意のつもりが、苦手になる理由

美和台の塾と並行して、家庭教師で受験算数メインの指導をする今日この頃。生徒さんは算数が苦手とのことなのですが、いざ見てみると計算が抜群に速いんです!それこそ基礎問題のほとんどは自力で全部仕上げてまうほど。

でも、文章題となると突然解けなくなります。もともと算数は得意な方だったのですが、現在は一番の苦手科目になったようです。

これは一体なぜなんでしょう?

思うに、計算が速い人ほど、「算数の上達=計算スピードUP」と勘違いしてしまうのでしょう。計算力に比例して偏差値は最初は上がるでしょうが、ある一定のレベルに到達すると、そこからは全く伸びなくなります。ちなみに、高校時代の僕がまさにそれでした(笑)

このスランプは、「計算というものが、算数の回答で使う一つのツールに過ぎない」ということを忘れてしまった人に起きる現象です。確かに、ただの計算問題に必要なのは計算力(それを基礎問題として最初に演習させるカリキュラムにも問題はあるかもしれません)。ですが、本来の算数の問題に必要なものは他にあります!

それこそが、読解力

複雑な条件をわかりやすく整理し、いかに簡単な基礎問題のレベルにまで分解して考えられるか。そして、その分解した計算を終え、再び答えまで事実を組み立てなおすか。これらの能力が問われます!

要するに、作戦を練る力が必要になるのです。ただ与えられた数式を解くなんて、算数の問題を解くことでもなんでもありません。もし伸び悩んでいるのなら、たくさん演習してゴリゴリ修正していくというよりは、ゆっくり立ち止まって、問題を工夫しながら分解・再構築する力を一緒に養っていくことが先決です。

でも悲しいかな。受験戦争で焦るあまり、塾の宿題を解くので精一杯、講座もたくさんとって、苦手単元の対策を「やった気になってる」。そんなパターンは少なくありません。

間違った型で何回練習しようが、それは間違った型が身に付くだけです。補助ツールに過ぎない計算力だけ、少しは伸びるかもしれませんが。

それは本当にもったいない。というわけで、まずは算数の重点を「計算」ではなく、「読解・分解・再構築」に改めるところからはじめましょう。

もしこれが成功すれば、塾の宿題も今までよりスイスイ解けるようになりますし、何より正しい型での練習ができます!「正しい型での練習」というのは、計算ミスを気にする練習ではなく、読解・分解・再構築のやり方を学ぶ練習ということです。これができる人は、試験本番にも強い。計算ミスはだれでも見直せるけど、構築などの修正は普段からできていないと試験でも気づけません

計算が得意だという自負のある人ほど、「自分が解けないはずない」と意地を張ってかえって急いで計算し、ミスしてしまう。あるいは、自分からややこしい解き方に突き進んで泥沼にはまってしまう・・・

そんな悪いスパイラルに陥ってしまわないように、今後の指導に臨みます!

それでは。