古文 心情と発言のギャップ

共通試験対策を指導している生徒から、以下のような質問がありました。

「古文の問題で、人物の行動理由を問われ、その人物の発言を元に回答したら間違えてしまった。このミスの原因は何か。」

結論、人物の行動理由は、発言だけではなく心情を把握する必要もあります。

古文を読む際、心情や考えを示している箇所があれば 「」 で囲うようにしております。

基本的な判定基準は、最後に「と」がくることです。「と」を見た瞬間、そこから 」 を書いて、文章を遡って心情のスタート部分を探します。

そのような区切りをすることで、その人物の行動理由を判断しやすくなります。

例えば、ある男がふと見知らぬ家にいる女性を目にし、「あの美しい女性はどのような人物なのだろう、話してみたいものだ」といった表現が出てきたとします。その直後の文章で、男が「あの家にはどんな人が暮らしているのか」と近所の人に尋ねたとします。

このとき、男のセリフだけを読んでも、男の発言の真意は分かりません。

だからこそ、近所の人の返答は「質素な暮らしをしている尼が数名いますよ。あなた様が気にするような高貴な方はおりません。」といった、男にとって役に立たない返事しかもらえない場合もあるのです。

Q. 男はなぜ近所の人に話しかけたのか、最も適切な理由を選びなさい

といった問題の際、以下のような選択肢を判別できるようにしましょう。

1 自分が目にした家には、どのような人が暮らしているのか知りたかったから。

2 自分が目にした女性がどのような人かを知りたかったから。

1は「誰が暮らしているのか」に焦点が当たっているため、不正解。2が正解です。

1は、男の発言をそのまま受け取った場合の説明となります。

以上のように、基本的には内心が行動理由となる場合が多いです。見つけたらカギカッコでチェックしてみると良いと思います。

それでは。